ストーリーで学ぶ!公認会計士の仕事
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記事更新日 2009年01月03日 20:33
ミレニアム工業についた僕は、小松さんに電話をした。
はじめての現場だ。
哲也
「もしもし、小林です」
小松
「あ、小林くん。今、下に迎えに行くよ」
ミレニアム工業は、日本でも有数の上場企業の一つで、造船、重機械など、さまざまな工業製品を作っている会社だ。ってさっきインターネットで少し見ただけなんだけど・・
小松
「小林くん。どうも、小松です。このビル、カードがないと入れないから、しばらくは入るときは、僕といっしょにね。カードは作るように、クライアントにお願いしてるから。で、仕事場は、このビルの10階ね」
エレベーターに乗って10階に行くと、たくさんある部屋の一つを小松さんが開けた。
中に入ると、一つの大きな机を囲むように、椅子が10脚くらいかな。そこに、30歳くらいの女性が1人、40前くらいの女性が一人、20台後半の男性が一人いた。
中河原さん
「おー、君が小林くんかー。オレは中河原」
小林
「はい、小林です。よろしくお願いします」
鷹山さん
「私は鷹山りかです。マネジャーです」
松谷さん
「松谷です。よろしく」
いきなりだと名前を覚えるのもたいへんだ。
分かったのは、30歳くらいのきれいな女性が鷹山さん。まだ若いのにマネジャーで、しかもやさしそうな感じだ。
松谷さんが40前くらいの女性。あまりおしゃべりをしなさそうで、少し怖そう。この人がこの中でいちばんエラいのかな。
ちなみに、ひなた監査法人では、役職は下からスタッフ、シニア、マネジャー、シニアマネジャー、社員、代表社員っていう6種類。
スタッフからシニアに上がるのに3年、シニアからマネジャーにあがるのに5年。8割以上の人は、この年数に従って、役職があがるみたいっていうのを、最初に聞いた気がする。
哲也
「中河原さんは、何年目なんですか?」
中河原
「オレは3年目だよ。今年、修了試験だから勉強しないと。小林くんも来たことだし、オレ帰っていいですかー?」
小松
「いや、まだ11時半ですよ!」
鷹山
「中河原くんは、うちのエースだからガンバってもらわないとね!」
なんか楽しそうな雰囲気がするチームだ。
オレは、最初にいいチームに配属された気がする。
小松
「で、小林くん。仕事の話なんだけど、この調書を見てもらっててもいいかな」
哲也
「あ、はい」
渡されたのは、紙がいっぱい閉じられている分厚いファイル。
年月日を見ると去年の今ごろのもののようだ。
小松
「ミレニアム工業は12月決算だから、これから去年の1年間の監査が始まるんですよ。で、2月の初旬に決算短針を出すから、それに向けて監査をやっていく感じなんだけど、分かるかな?」
哲也
「あの・・短針ってなんですか?」
小松
「うんーと、企業は決算書を出すんだけど、決算書は株主総会の承認がないとダメなのね。ただ、株主総会は3月末頃だから、12月の決算の数字を3月まで発表しないとさすがに遅すぎるの。そこで、株主総会の承認はないけど、決算の数字を公表するのが決算短針」
哲也
「なるほど。監査法人は、決算書がちゃんと正しいっていうのを調べる仕事だと思ってたんですけど、短針にも責任はあるんですか?」
小松
「正確には、決算短針には、監査法人の監査報告書っていうのは添付しないんだけど、だからといって決算短針と決算書、あ、決算書っていうのは有価証券報告書っていうんだけど、その金額に違いがあると企業としても、監査法人としても信頼されなくなっちゃうでしょ。だから、短針の発表の前までに、監査をやってしまう感じかな」
哲也
「へぇー。そうなんですね」
小松
「で、小林くんにやってもらいたいのが、貸借対照表の科目をお願いしたくて、まず簡単な現金預金、手形、借入金あたりをやってもらいたいんだけど」
哲也
「はい、やらせていただきます!」
小松
「やり方は、去年と同じだから、その渡した去年の調書を見ながらやってもらっていい?わかんなかったら、聞いてくれていいから」
哲也
「あ、はい」
監査法人っていうのは、あんまり丁寧に仕事を教えてくれるところではないんだな。
まぁ、研修も受けたことだし、去年の調書もあるから、それでできるってことか。
まず、この調書から見ていこう。
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