BUSINESS BATTLE
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記事更新日 2009年01月12日 14:51
※ このストーリーはフィクションです。実在する人物、団体等とは一切関係ありません。
神楽(かみくら)タカ、1992年9月13日生まれ。
タカは、小さい頃からばあちゃんと暮らしてきた。両親は、タカが物心がつく頃にはすでに他界していたため、タカの記憶には全く残っていない。
住居は、東京の下町にある比較的ボロい一軒屋なのだが、タカとばあちゃんの他に、2人の居候が住んでいる。
一人は、高橋健吾。タカの一つ下の少しやんちゃなやつだ。健吾は8歳の頃、両親を飛行機事故でなくした。そんな健吾を、タカのばあちゃんが引き取り、家で育てることにしたのだ。健吾は近所に住んでいたため、タカは健吾のことを知ってはいたが、学年が一つ違うこともあり、関わったことはなかった。
もう一人は、タカの2つ下の井上真由美。賢くて真面目な雰囲気があるが、話すと明るいバランスのとれた女の子だ。真由美は11歳の頃、両親を火事でなくした。同じ理由で、タカのばあちゃんが真由美を引き取ったのだ。
健吾も真由美も、親戚に引き取り手がいなかったのだが、かわいそうだからというよりは、ばあちゃんは子どもが増えてにぎやかになれば楽しいという感覚だった。
しかし、ただでさえ貧しい暮らしをしていたのに、子どもが二人も増えたことは、生活に大きな打撃だった。タカが高校に行き始める頃には、食費や学費も益々かさんできた。
それでもタカは、健吾と真由美が家にきたせいだと思ったことはほとんどない。むしろ、ばあちゃんにも健吾にも真由美にも、なんとかもっといい暮らしをさせてあげたいという思いの方が強かった。
タカは勉強はできた。全国でもトップクラスのレベルだった。しかし、自分の学費で生活を圧迫させるくらいなら、高校をやめて仕事をしようかとも考えていた。
そんな思いを抱えながら過ごしていた高校1年の冬、2007年12月、タカはビジネスバトルの存在を知る。
タカ「ばあちゃん!!すげーもの見つけた!!優勝賞金3億円だって!」
ばあちゃん「どうしたんだい、そんなにはしゃいで」
タカ「見てよ、このチラシ!2008年1月から開催されるビジネスバトル、勝負は11ヶ月間でどれだけ利益をあげられるか、テーマはインターネットの広告収入モデルを利用したサービス!これ、なんかいけそうじゃん!」
ばあちゃん「そんな甘い話があるかい。あんまり景気のいい話に乗っかると、イタい目をみるよ」
タカ「とにかく!明日、説明会があるみたいだからオレ行ってみるよ!」
翌日、タカは気持ちを昂ぶらせながら、説明会の会場へ行った。
タカ「おぉ・・なんかいろんな人が来てるなぁ。500・・1000人くらいかなぁ・・」
水原結愛「タカ!おはよー」
タカ「わ、ユア!なんだ、お前も来てたのか。ユアもビジネスバトルに参加しようと思ってるの?」
ユア「違うよ、私は手伝いに来てるだけ」
タカ「手伝い?なんで?あ、バイト?」
ユア「っていうか、ビジネスバトルの主催者、お父さんの会社なんだけど。知らないで来たの?チラシに水原グループ主催って書いてあるのに」
タカ「あ、そうなんだ。あはは、そこまで見てなかったや」
ユア「じゃ、私はちょっと手伝わなきゃだから、またあとでね!」
水原結愛は、タカとは学年が同じで、小学校に入学した頃からの知り合いだ。水原グループは日本を代表するメーカーで、結愛の父親が社長、祖父が会長を務めている。古くから上場している会社の一つだが、株式の持分は、いまだ水原一族で50%超保有しているため、実質的に水原一族の意向が会社の意向になっている。
しかし、なぜかそれほどの大企業の社長が、タカのばあちゃんとは親しく、タカが小学生の頃は、年に1度程度のペースで、タカの家に遊びに来ていた。
そのおかげなのか、タカは結愛と親しくなり、頻繁に遊ぶようになっていった。中学に入ってからは、周りから、仲のいいカップルに見られるようになっていったが、お互いに付き合ってるという確認を言葉ではっきりできたのは、中学2年の夏だった。
また、タカとユアには、奇妙な共通点があった。タカの左手首あたりに、直径1cm程度の赤い模様のようなものがあり、ユアには右手首あたりに、同じ大きさの青い模様があった。模様自体は微妙に違っていだが、同じ種類のものと考える方が妥当なほど、似ているものだ。
タカが説明会の空いている席に着き、15分ほどした後、説明会が始まった。説明会は、淡々と進められていく。
ビジネスバトルの目的は、シンプルなものだった。これから毎年、その年ごとの設定したテーマに沿った事業で競わせることで、その事業が世の中に注目され浸透していくことや、優勝した会社・将来性のある会社に水原グループが出資をすることで、水原グループが新規事業に挑戦していく一つの戦略ということだった。
参加者にとってのメリットもあった。通常、新しい会社を立ち上げる際は、顧客を集めるのに時間がかかるし、資金がそれほどない状態では大掛かりな広告を出すことも難しい。ただ、ビジネスバトル自体が世間に注目を浴びれば、それ自体が大きな広告効果となる。
また、参加者は最大で三千万円の貸付を、水原グループから受けることができるとのことだった。年齢、経歴、ビジネスプランなどの審査を通らなければいけないが、11ヶ月間という短期決戦では、最初の資金が重要になるため、貸付を受けられるということは重要だった。
ただし、不正利用を避けるため、借り入れた金額は、借り入れた側の口座に移されるわけではなく、水原グループが用意した口座の中に入ったまま、使用することになる。つまり、どのような使い道かはすべて監視されるということだ。
そして、来月、2008年1月1日から開催される第1回目のテーマは、インターネットの新サービスから広告収入を得るというもの。広告については、一括でビジネスバトル主催側で募集・管理をされ、広告主の希望を元に、適切なサービスに広告が掲載される。
参加する企業は、作成したサービスで、広告収入以外を得てもよいが、カウントされるのは広告収入のみであり、そこから関連する経費を差し引いた金額が利益となる。上位に入った企業には、正しく利益が算定されているかについて、監査法人によるチェックが入り、最終的に確定した利益の金額がいちばん大きかった企業が優勝となる。
タカ「要は、利益をたくさん出せばいいってことだよな」
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